【趣旨】
アルマ望遠鏡が2011年に本格運用を開始して以降、研究者コミュニティによって数多くの成果が生み出されてきました。この間、国内外の研究者コミュニティと協力して2011年に三鷹で開催した「ALMA Development Workshop」を皮切りに、その集大成となる2030年代に挑むべき科学目標と機能強化をまとめた「アルマ望遠鏡将来開発ロードマップ」を策定し、2023年度より「アルマ2計画」を実施しています。将来計画の策定には、このような長期にわたる継続的な取り組みが不可欠です。サイエンスのフロンティアのさらなる開拓に向けて、2040年代以降を見据えた科学目標・技術目標の検討は(特に若手世代にとって)喫緊の課題です。2040年代の天文学、特にサブミリ波・ミリ波・センチ波帯での電波干渉計を用いたサイエンスでは、いったい何が鍵となるのか?それを実現するための技術開発にはどのような困難や進化が予測されるのか?本研究会では、国内の専門家をお招きして、サイエンスと技術の両面から2040年代の展望について議論します。
【日程、会場および形態】
・日程:2024年10月8日、9日
・会場:国立天文台 大セミナー室(Zoomでの配信も予定)
・形態:口頭発表は招待講演のみとなりますが、ポスター発表を募集いたします。
・言語:日本語
【参加申込フォーム】
https://alma_naoj.formstack.com/forms/ea_dev_2024
締切
・旅費補助有:9月24日(火)17:00
・旅費補助無:10月4日(金)12:00
託児利用希望される場合は下記リンクをご参照ください。
https://www2.nao.ac.jp/~open-info/gender-equality/room.html
【招待講演者】
〇 サイエンス
・惑星形成・系外惑星:逢澤正嵩(茨城大学)
・星形成:徳田一起 (九州大学)
・恒星・太陽:下条圭美(国立天文台)
・近傍銀河:斉藤俊貴(静岡大学)
・銀河形成・進化:播金優一(東京大学)
・活動銀河核:川室太希(理化学研究所)
・時間軸・突発天体:冨永望(国立天文台)
・生命素材物質:相川祐理(東京大学)
〇 技術
精密測定機器:
・櫻井昭寛(キーサイト・テクノロジー株式会社)
周波数標準とその分配:
・山口敦史(理化学研究所)
・木内等(国立天文台)
データ伝送:
・松尾慎治(NTT先端集積デバイス研究所)
・大江将史(国立天文台)
超伝導素子と受信機:
・田中雅光(名古屋大学)
・小嶋崇文(国立天文台)
・牧瀬圭正(国立天文台)
相関処理システム・GPU:
・清水上誠(国立天文台)
【世話人】
井口聖、石井峻、泉拓磨、小嶋崇文、廿日出文洋、深川美里、牧瀬圭正、松田有一、南谷哲宏(国立天文台)
【プログラム】
10月8日
09:30-09:35 廿日出文洋(国立天文台):挨拶・アナウンス
09:35-09:50 井口聖(国立天文台):開催趣旨
09:50-10:10 本原顕太郎(東京大学/国立天文台):Kavli-IAU Workshop on Future Facilities of FIR-mm Wavelengths
10:10-10:40 松尾慎治(NTT先端集積デバイス研究所):2040年代の光電融合デバイス
10:40-11:10 大江将史(国立天文台):データセンタ/AIファームを支える通信技術の現在と将来
11:10-11:40 櫻井昭寛(キーサイト・テクノロジー株式会社):進化するベクトル・ネットワーク・アナライザ
11:40-13:00 昼休み
13:00-13:30 徳田一起(九州大学/国立天文台):星への道筋を照らす次世代望遠鏡計画とは?:星間物質のダイナミックな輸送を探る
13:30-14:00 逢澤正嵩(茨城大学):電波干渉計で探る原始惑星系円盤と系外惑星
14:00-14:30 播金優一(東京大学):2040年代の銀河形成研究 (仮)
14:30-15:00 相川祐理(東京大学):新たな星間分子の検出とAstrochemistryの進展
15:00-15:30 休憩
15:30-16:00 田中雅光(名古屋大学):超伝導デバイスによる高エネルギー効率信号処理
16:00-16:30 小嶋崇文(国立天文台):10年前、技術的にALMA2030 WSUを展望できたか
16:30-17:00 牧瀬圭正(国立天文台):国立天文台における超電導ファブ~マイクロファブリケーションラボの試み
17:00-18:00 パネルディスカッション:現状の課題と2040年代のキーサイエンス
18:30-20:00 懇親会@コスモス会館食堂ホール
10月9日
09:30-10:00 冨永望(国立天文台):2040年代の時間軸天文学
10:00-10:30 川室太希(理化学研究所):ALMA を主軸とした多波長観測で見えてきた AGN 構造と将来への展望
10:30-11:00 下条圭美(国立天文台):電波による恒星・恒星系観測
11:00-11:30 斉藤俊貴(静岡大学):次世代電波干渉計で解き明かす物質循環と銀河進化
11:30-13:00 昼休み
13:00-13:30 山口敦史(理化学研究所):周波数標準の最前線 ー 原子核時計の開発
13:30-14:00 木内等(国立天文台):ngVLAのための光ファイバを用いた高精度時刻周波数伝送
14:00-14:30 清水上誠(国立天文台):GPU分光計ソフトウェアの再利用の難しさと標準化
14:30-15:00 議論:2040年代のキーサイエンス・キーテクノロジー
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【ポスター】
田中圭(東京科学大学):大質量星の熱く動的な誕生
松尾宏(国立天文台):Space Terahertz Intensity Interferometry
Kang Haoran(国立天文台):Development Status of LMT-FINER Receiver at 210-360 GHz
松本健(大阪公立大学):月面電波干渉計TSUKUYOMIに向けた超低周波電波受信システムの技術的検討
河本琉風(大阪公立大学):ALMA における多周波同時観測を目的にした準光学分離フィルターの基礎開発
向井一眞(大阪公立大学):ALMA低周波帯広帯域観測を目指すクアットリッジホーン(QRH)の開発
西川悠馬(大阪公立大学):1.85 m電波望遠鏡を用いた ALMA band 3+6+7 同時観測のためのビーム伝送系設計
近藤奨紀(大阪公立大学):VERA搭載用86GHz帯受信機開発(1) 常温受信機によるアンテナ性能の評価
亀山晃(大阪公立大学):VERA搭載用86GHz帯受信機開発(2):広帯域円偏波分離器の開発
澤村真星(東京大学):No Galaxy-Scale [C II] Fast Outflow in the z=6.72 Red Quasar
河野孝太郎(東京大学):LST/AtLAST計画の進捗と、ALMA2/"ALMA3"時代の大型単一鏡の役割