ALMAデータ

ここでは、ALMAのデータの構造やアーカイヴで配布されているファイルについて解説します。

Measurement set の構造

CASA は measurement set という形式で格納されたビジビリティデータを扱います。measurement set はディレクトリになっています。 (削除するときは os.system('rm -rf test.ms') などとします。)

ビジビリティデータの格納場所は2箇所あり、それぞれ "data", "corrected" カラムと呼ばれます。 "data" にはキャリブレーション適用前のデータ、"corrected" には、"data" のデータに対してキャリブレーションを適用した後、 すなわち applycal タスクを実行した結果のデータが格納されます。 キャリブレーション適用後も、"data" には適用前の元々のデータが入ったままになっています。

"data" に格納するデータは任意です。 観測で得られた生データが "data" に入っている場合、それに対してキャリブレーションを適用したデータが "corrected" に格納されますが、 例えばその "corrected" に対して別のキャリブレーションをさらに適用したい場合、"corrected" のデータを抜き出して (split タスク)、 新たな measurement set の "data" カラムに入れることもできます。 つまり、"data" は生データを意味するわけではなく、あくまでも applycal 適用前のデータを意味することに注意してください。
例えば、tclean タスクは、"corrected" が存在すれば "corrected"を、存在しなければ "data" に格納されているビジビリティを使います。 plotms タスクでは、プロットする対象のデータを data タブで選択します。

図 1: Measurement set の 2つのデータ格納場所:Data と Corrected カラムの考え方

Measurement set には、さらに "model" というカラムも存在します。 データのキャリブレーションの過程で「こうあるべき」というビジビリティデータを "model" にセットし (setjy タスクや、セルフ・キャリブレーションの場合 tclean タスク)、 "model" と "data" の比較によってキャリブレーション用のテーブルを作成し (gaincalタスク)、 そのテーブルを適用 (applycal タスク) するという流れの中で用います。

図 2: Corrected カラムにデータが生成されるまでの、キャリブレーションの基本的な流れ

アーカイヴ

観測提案者も一般ユーザーも、アーカイヴシステムから ALMA のデータを取得できます。

  • アーカイヴのデータ検索ページ

    図 3: ALMA アーカイヴのデータ検索画面

    図 4: ALMA アーカイヴのリクエスト・ハンドラー画面
    (注: データ検索画面の [Explore and download] で立ち上がるのはグラフィカルな新しいバージョンですが、このシステムには不備が多いので、さらに [Explore and download in legacy system] を押すと立ち上がる旧バージョン (上図) の使用をお勧めします。)

データ検索のためのページは直感的に使用できるようになっていますので詳しい説明は省きます サイエンス・ポータルのアーカイヴに関するドキュメントチュートリアルビデオを参照してください。


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Last Update: 2023.09.30