ALMA入門

ALMA データを使った研究を検討されている人にとっては、ALMA サイエンスポータルで情報を探したり、文書を読んだりするのはあまり簡単ではないかもしれません。また、有用な情報は各地域のユーザー支援サイトにも散らばっています。このページは、どこにどのような情報があるかを知っていただき、ALMA の概要をすばやく掴んでいただくことを目的としています。このページでは情報量を抑えていますが、ここに挙げたもの以外にも有用な文書やウェブサイト等があります。リンク集などでご確認ください。


ALMA はどんな望遠鏡?

ALMA (Atacama Large Millimeter/submillimeter Array) は直径 12 m のアンテナ 50 台 (12 m アレイ)、直径 7 m アンテナ 12 台 (7 m アレイ) と直径 12 m の単一鏡観測用アンテナ 4 台 (Total Power アレイ)からなる電波干渉計です。チリ北部の標高およそ 5000m の場所に建設されています。波長 3.6 mm から 315 µm (84 - 950 GHz)のサブミリ・ミリ波帯で観測できます。

関連する資料やウェブページ
ALMA Basics ALMA の基本的な情報を 1 ページで記載
ALMA Primer 少しだけ詳しく、見やすく、かつ1年ごとに更新している初心者向け文書
データ解析講習会テキスト 冒頭の章に ALMA Primer の一部の日本語版あり
アルマ望遠鏡とは 一般向けサイト
どんなサイエンスができるの?

研究の例が ALMA Primer や以下の場所などで紹介されています。ALMA は観測性能の点で世界的に突出しており、それを研究者が自由な発想に基づいて利用することで、サイエンスの幅が拡がり、新しい研究の芽が出ています。

関連する資料やウェブページ
ALMA による観測成果 最新成果のニュースリリース (日本語)
ALMA Science 最近の例も含め分野ごとに研究内容をまとめてあるページ
Did you know? 26 分で火星大気のウィンドパターンを 300 km の速度分解能で測定など、観測セットアップと一緒に実現可能なサイエンスの例を列挙
アーカイブでイメージを見るには?

サイエンス・ポータルにある ALMA サイエンスアーカイブで、天体名や観測周波数、空間・速度分解能などを条件にデータを検索できます。 (2020 年 8 月にインターフェースが新しくなりました。画面左上の虫眼鏡のボックスにマウスを合わせると従来のような検索フォームが出てきます。) データの入手方法について、詳しくは以下のデータ解析講習会のテキストやスライドなどをご覧ください。
現在、ALMA Science Archive ではデータをダウンロードしないとイメージを見ることができません。サイズの大きいデータをダウンロードすることなく、まず画像を見て簡単にウェブブラウザ上で明るさや見え方などを調べたい場合には、Japanese Virtual Observatory の利用をお勧めします。操作方法はデータ解析講習会テキストやスライドに記載されています。
なお、ALMA サイエンスアーカイブではそのデータを使ってどのような論文が既に出版されているかといった情報も確認できます。

関連する資料やウェブページ
ALMA データ解析講習会のページ 過去の講習会のテキストやスライドに、アーカイブや JVO の使い方が掲載されている
自分で解析してみたい

ALMA では観測所でデータ較正 (キャリブレーション) と画像化 (イメージング) を行い、画像上で観測提案者が要求した感度と空間分解能を満たしていること、全般的にデータの質に問題がないことを確認してからデータを配布 (アーカイブへ格納) しています。観測終了後1年 (観測所長裁量時間の場合は 6 ヶ月) 経つとデータは誰でもアーカイブから取得できるようになります。アーカイブにある画像を用いて研究を行うこともできますが、科学研究に応じてさらに最適化したい場合、自分でイメージングをやり直すこともできます。較正済みのデータはアーカイブから生データと必要なパッケージをダウンロードすれば再現できますので、そこからイメージングを開始します。
講習会やウェブ上のチュートリアルといった教材があります。困ったことがあればヘルプデスクにお問い合わせください。

関連する資料やウェブページ
ALMA データ解析講習会のページ 過去の講習会のテキストやスライド
リンク集 特にSynthesis Imaging Workshop のサイトはスライドや動画が充実
ALMA Guides "A first look at ..."のページのチュートリアルは初心者向け
自分で観測を提案してみたい

プロポーザル検討のためのガイダンスの情報はサイエンスポータルにありますが、それだけで立案するのが難しい場合には、例えばアルマワークショップに参加する、毎年締め切りの 3 週間程前に開催されるプロポーザル準備ワークショップの個別相談の機会を利用するといったことが考えられます。

関連する資料やウェブページ
Proposing Guidance プロポーザルの検討と執筆のガイダンスのページ
アルマ望遠鏡研究者向けウェブサイト アルマワークショップ等のイベント情報
提供される観測機能の詳細 最新観測サイクルで提供される、詳しい観測機能のサマリ


Last Update: 2022.05.16