解析サポート
ALMA ではユーザーとのコミュニケーションの公式ツールとしてヘルプデスクを運用しています。ALMA に関するあらゆる質問を受け付けており、データ解析に関する質問も歓迎です。また、日本語での質問も受け付けております。ヘルプデスクでは、最初のチケット作成はウェブ上のシステムで行う必要がありますが、その後のやりとりはメールで行うことができます。また、データの問題点、問題の解決方法や、よくある質問は Knowledgebase にまとめられています。東アジア地域でヘルプデスクに頻繁に寄せられる質問とその回答についてはこちらの FAQ ページをご覧ください。
EA ARC では以下のようなサポートも提供しています。
較正済みデータ配布
ALMA の干渉計データをアーカイヴから取得してイメージングを行う場合、生データとスクリプトが含まれるパッケージをアーカイヴからダウンロードし、README や QA2 report に記載されたバージョンの CASA を使って、ご自身でデータ較正の結果を再現していただく必要があります (CASA バージョンの探し方が分からない方はFAQ のページをご覧ください)。一方で、古いバージョンの CASA を必要とする場合、お使いの計算機環境によっては OS が新しいために CASA の動作が保証されておらず、較正を行えない可能性があります。例えば CASA 4.6 以前のバージョンは RedHat 7 ではサポートされていません。さらに、ダウンロードが何度も失敗してキャリブレーションがうまくいかないこともあるかもしれません。お困りの場合は、こちらに記載の手順で、テンプレートを用いてヘルプデスクへお問い合わせください。
Face-to-face 解析サポート
日本のユーザーのために国立天文台でのface-to-face 解析サポートサービスを提供しています。ご希望により、オンライン会議システムを用いたサポートも可能です。PI や co-I として観測したデータ、アーカイヴデータの両方が対象です。(国立天文台への旅費の補助もあります。) サポートの受け方や必要な解析環境など、詳しくはヘルプデスクへお問い合わせください。
想定しているケース
- 自身を含めて身近に ALMA データに詳しい人がいない方で、サイエンスと解析すべきデータがはっきりしている場合
- 経験のない複雑なデータで、ヘルプデスクでのやりとりでは効率が悪そうな場合
- 解析に失敗 (必要とするレベルの結果が出てこない/判断に困る、などの状況を含む) していて、ヘルプデスクのやりとりだと効率が悪そうな場合
などが考えられます。
なお、以下のようなケースは別途、ヘルプデスクで対応できます。よく分からない場合、ヘルプデスクへ virtual F2F サポートをお申し込みください。スタッフが適当と思われる方法を提示いたします。
- 基本的には解析できているが、一部について質問したい。
→ ヘルプデスク上でのやりとりで対応できる可能性があります。 - scriptForPI.py が走らない。
→ 多くの場合、データのダウンロードの失敗が原因です。ダウンロードをやり直してもスクリプトが走らない場合はヘルプデスクにお問い合わせください。 - 古いバージョンの CASA が必要だが、解析環境がない。
→ キャリブレーション済み measurement set を配布できることがあります。ヘルプデスクにお問い合わせください。 - 特に目的のデータがあるわけではなく、ALMA データや CASA の使い方を勉強したい。
→ 年に 1~2 回のアルマデータ解析講習会の機会をご活用ください。なお、講習会の資料は下記 (「参考資料」) でご覧いただけます。 - calibrated MS から、自分のサイエンスに最適な clean パラメータの決めたい場合
- 自分で作成したイメージ (clean やコンバイン) が正しいのかの判断を相談したい場合
- self calibration のやり方を学びたい場合
→ これらの場合も、ヘルプデスク / Zoom / チャットツール等を用いて臨機応変に対応したいと思います。
サポートの進め方
申請から 1 週間程度で担当者を決定し、連絡いたします。申請時の内容で、メールベースのヘルプデスクでの対応が適当と判断した場合には、これもその時に連絡いたします。 決定した担当者と解析環境・生データの転送・サポートの日時を相談していただきます。 解析進行状況に応じて日時を適宜設定し、テレビ会議やチャットで対応することになります。テレビ会議の場合、一日中対応することは困難ですので、長くても 2-3 時間/日を想定しています。全体の期間としては 1 週間程度を目安とします。ALMAのデータを全く触ったことがない、または、解析パイプラインCASAで解析したことがないという方は、サポートの前に、講習会のテキストを読んでいただく、解析チュートリアルを実行していただくことで、サポート時間が有効に利用できると思われます。
解析環境
ユーザーご自身側の PC / サーバー、国立天文台天文データセンターの多波長解析システム MDAS (アカウントが必要) のどちらでもかまいません。 ただし、リモートでのサポートである都合上、どちらも一長一短ですので、担当者と相談の上決定することもできます。 幾つか注意点を以下に示します。- ユーザー御自身側の計算機
生データの転送には時間が掛かるため、サポート開始前に転送を済ませておく必要があります。ネットワーク経由での生データ転送が困難ならな、事前に外付け HDD (USB 接続) でのデータ配信が必要になります。解析中の画像確認等は、あまりストレスが掛からないことが予想されますが、担当者が解析状況等を確認するには、テレビ会議システムの画面共有が主となります。 - 国立天文台天文データセンターの多波長解析システム MDAS
事前にアカウント申請が必要になります。申請からパスワード郵便物が到着するまでおよそ 1 週間程度かかります。アカウントは国内の機関に所属している方のみ発行可能です。ネットワーク状況により、ユーザー側の端末から操作/画像確認する時に、かなり遅い場合がありますが、担当者が MDAS に入って解析状況を確認することが可能です。
必要要件など
解析には Linux を用いますので、Linux の基本的なコマンド操作ができることが条件となります。 また、リモートでの対応ですので、Zoom 等のテレビ会議システムが (解析環境とともに) 問題なく使えることも条件となります。 解析中の画像/スクリプト確認で画面共有をすることもあると推測されます。 リモートでの解析サポートは、試験的なものですので、スムーズにいかないこともあるかと思いますが、ご容赦ください。申請
申請は、ヘルプデスクから、以下のフォーム用いておこなってください。====================ここから (ヘルプデスクチケットの本文として記載してください) (1) 所属・研究室(・学年): [例: XX 大学、学生 (M1)] (2) 分野/サイエンス: [例: 近傍銀河、星形成] (3) 研究目的とサポートしてほしい内容: ["Purpose of Visit" に記載の場合は省略可。希望するサポート内容はなるべく具体的に記載してください。] (4) 本サービスで予定している解析結果の論文化のタイムスケール (予定) : (5) 解析対象データ (Project Code / SB Name): [例: 2011.0.0010.S / HD100_a_03_TM1] (6) CASA を使用した ALMA データ解析経験の有無: [例: パイプライン解析はしたことがある。 / チュートリアルを実行してみた。...など] (7) 解析環境(希望するものを残す): 御自身の PC やサーバー NAOJ / ADC / MDAS 未定 注: 担当者決定後、相談の上、決定できます。MDAS 使用の場合は、アカウント申請が必要になります。 (8) その他・要望等: ====================ここまで
参考資料
英語の資料は豊富です。日本語での情報はこのウェブサイトで提供していきます。
- データ解析講習会資料 (日本語)
- ALMA Guides (英語)
様々なチュートリアルがあります。 - チュートリアル (イメージング)
アーカイヴにはイメージが含まれていますが、科学目的に合わせてご自身でイメージングをやり直すことができます。 - チュートリアル (キャリブレーション)
通常は必要ありません。ALMAで は観測所がキャリブレーションを行っており、ユーザーはキャリブレーションを意識せずに解析を行うことができます。アーカイヴから生データとキャリブレーションに必要なパッケージをダウンロードし scriptFotPI.py を走らせるとキャリブレーション済みデータを再現できます。キャリブレーション済みデータを用い、科学目的に応じてイメージングを行うことができます。 - リンク集
- EA-ARC 活用ガイド