キャリブレーション用の CASA バージョンの調べ方
ALMA の干渉計データをアーカイブから取得してイメージングを行う場合、生データとスクリプトが含まれるパッケージをダウンロードし、自身でキャリブレーションを行っていただく (scriptForPI.py を走らせてキャリブレーション済みデータを再現していただく)必要があります。このキャリブレーションでは、観測所での品質保証で用いられたのと同じバージョンの CASA を使う必要があります。ALMA の品質保証においては、観測所のスタッフがキャリブレーションを実施し、問題のないことを確認してからデータを配布しています。ソフトウェア CASA は常に進化しており、異なるバージョンの CASA でキャリブレーションを実行すると異なる結果になるか、あるいは単純にエラーなく最後まで実行することができない可能性があります。一方、品質保証プロセスでのイメージングは、提案された感度と解像度が達成されているかを確認するために行われています。ユーザーは科学目的に応じて異なるパラメーターでイメージングを行うこともでき、その際はバグ修正や改善が行われた後の、最新の CASA バージョンを使用することもできます。同じ CASA バージョンを用いてイメージングする必要があるのは、ALMA サイエンス・アーカイブにあるイメージを再現したいときのみです。
キャリブレーションに使用する CASA バージョンを確認するには、現時点では、Cycle 1-4 は README (概ね Cycle 3 以前が calibrated MS 配布対象)、Cycle 5 以降は *.qa2_report.html/pdf をご覧いただくことになります。 qa2_report.html/pdf は、アーカイブデータのリクエストページから個別にファイルをダウンロード・閲覧できます。README ファイルは個別にファイルが選択できないデータセットに含まれることがあり、その場合にはパッケージをダウンロードしていただくことになります。なお、日本語の「データ解析講習会テキスト (2020 年 1 月版)」5 章にも CASA バージョンの調べ方の解説がありますので、よろしければご参考になさってください。
- ALMA サイエンスアーカイブにて目的のデータのダウンロードリクエスト画面に進みます。
- README ファイルがリストにある場合、中身を見てみます。 (README ファイルが無い場合は手順 3 へ)
実際のファイル名の形式は "member.uid___A001_X123_Xabc.README.txt" です。
- CASA バージョンは README ファイルに書かれている場合もあります。
[CASA バージョンを記述した README の例]
- CASA バージョンが見つからない場合
[CASA バージョン記述のない README ファイルの例]
→ "auxiliary" パッケージ (...auxiliary.tar) をダウンロードし展開してください。member....qa2_report.pdf (または .html) に CASA バージョンについての記述があります。
→ "auxiliary" パッケージの行左端の三角印をクリックすると、tar ファイルに含まれるファイルが展開表示されます。この状態で member....qa2report.pdf (または .html) ファイルのみをダウンロードすることも可能です。
- CASA バージョンは README ファイルに書かれている場合もあります。
- README ファイルがダウンロードリストには無い場合
→ "product" パッケージ (...001_of_0001.tar) をダウンロードし展開してください。README ファイルに CASA バージョンについての記述があります。