面分光とは


撮像データとスリット分光データ
天体観測の代表的な観測手法に撮像観測とスリット分光観測があります。 撮像観測は天体のイメージを取得する方法で、空間2次元の情報を得ることができます(上図左)。 スリット分光観測は空間方向には1次元だけの情報しか得られませんが、分光するので波長方向の1次元が付加されて、 合わせて2次元情報が得られます(上図右)。 このように従来の手法では同時に空間2次元の情報か、空間1次元と波長1次元の情報を得ることしかできませんでした。 銀河などの広がった天体の場合、空間2次元と波長1次元の情報を全て欲しいとことろです。


面分光で得られる3次元データ(データキューブ)
面分光という観測手法を用いれば空間2次元と波長1次元の3次元情報(上図)を一度の露出で得ることができます。 従来このような3次元情報を得ようとすると、多数のフィルターを取り替えながら撮像データを取得したり、 スリットを少しずつずらしながら分光データを取得していました。しかし1つのデータセットを所得するためには 非常に長時間かかり、その間の天候変化の影響を受けるという問題がありました。面分光では一度の露出で3次元情報を 得られるので、このような問題を回避することができます。