(実施事例)   第1回 星・宇宙を身近に感じる特別授業(北上中学校)


2012年5月25日に開催いたしました授業の構成は以下の通りです.
  1. 事前に,5月21日の金環日食(部分日食)に備えて,日食めがね用フィルターと,メガネ型紙を北上中学校にて配布,各自での観察をおねがいした.
  2. 授業に備えて,金環日食など含めた天文に関する質問を生徒さんに用意してもらった
  3. 授業を実施(ハワイ観測所を交えた遠隔授業+望遠鏡の製作)
  4. 望遠鏡を使って星の観察などをしてもらう.
  5. これらを通して学んだことをまとめてもらう(2012年6月中を予定)

以上の構成にしたがって,授業をおこないました.現在,最終まとめをお願いしている段階ですが,3.授業についての報告を以下にまとめます.

3.授業について

 13:30からの50分は,ハワイ観測所を交えての遠隔授業をおこないました.タイトルは,「「環」のある世界 見つけるために必要な「和」 」であり,すばる望遠鏡の紹介や,その能力,働くスタッフ達の紹介をおこない,系外惑星をテーマに取り上げました.補足が必要な部分や授業のインタラクティブ性を出すために,所々に,生徒への質問や,生徒からの質問を受け付けました.

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※写真類はクリックすることで,拡大することができます.

ハワイ観測所からの授業の最後に,天文についての質疑応答を行い,ハワイ観測所の林先生や縣先生が対応いたしました.

次に,15:30からの50分は,望遠鏡の組み立てを通じて,天体望遠鏡の仕組みを学ぶ授業をおこないました.20個の望遠鏡組み立てキットを,五人一組の班へ配布し,実際に望遠鏡を組み立ててもらい,天体観察の仕方などを縣先生がレクチャーされました.

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後日,天文台から三脚を配布し,星の観察を行ってもらう予定です.

 

(授業システムについて)

 北上中学校体育館内に,プロジェクター2台を設置し,Lifesize社のテレビ会議システム(ハワイからの映像)と授業資料を投影し,ハワイの林先生の映像と,資料が同時投影され,臨場感ある構成としました.なお,音声系は,すべて体育館の既存システムを活用しました.ネットワークは,石巻市教育委員会様や石巻市様のご協力により,学校ネットワークを国立天文台向けに解放していただき,これを活用いたしました.
 そして,すべてのビデオ中継は,岩手県水沢にあります震災復興データセンタに設置された中継装置(MCU)を経由させ,授業風景の録画とインターネットライブ配信をおこないました.
 授業における音声映像遅延は約1秒程度(ハワイ・日本間の距離や,映像圧縮に伴い発生)で,画質は安定し問題はありませんでした.

以上