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FOR STUDENTS (総研大)

総研大で学びたい皆さんへ

面白ければどんなテーマでも

私の研究は近傍銀河から遠方銀河まで、とても幅広いです。銀河がどのように生まれ、 どのように育つのか -- 興味を持っている方はぜひ一緒に研究しましょう。

総研大の5年間で挑戦してもらうテーマは、面白ければなんでもいいです。 特に希望がない限りはこちらから指定はしません。私がやっていないけれども、 面白いサイエンスはまだまだたくさんあって、私の専門外のテーマでも 一緒に勉強してやっていきたいと思っています。 よくよく相談をしながら本人の意思でテーマを決めていく、という感じでしょうか。 もちろん、思いつかない・わからない場合はこちらからいくつか提案をします。 また、研究者として生きていきたいか、という ところで分かれるのですが、もしそういう気持ちがあるのであれば、マイナーな 研究テーマや、あまり先の伸びしろがないテーマは避けるようにしています。

私の研究では望遠鏡から出てきたデータを処理し、科学解析を行い、新しい知見を得て 論文として発表するという一連の作業を行います。望遠鏡や観測装置を作ることは できませんが、観測所としてそういった活動にも関わり、そこから先は全てを行います。 近年の研究ではすでに処理された データがあり、すぐに科学解析からスタートすることも多いですが、 装置の校正とデータ処理は観測天文学の物理とも言えるところで、誰よりもデータを よく理解してサイエンスすることを心がけています。

私は業務でHSC・PFSチーム三鷹を組織していまして、HSC・PFSデータを誰よりも良く 理解できています。現在、HSCによる大規模撮像観測が終わり、今まさにPFSの大規模分光 観測が始まろうとしているこのタイミングにおいて、PFSデータを用いた研究が非常に 面白い方向でしょう。PFSは世界が注目している観測装置で、高品質のデータが大量に 出てきます。 私のグループはデータに最も近いところにあるので、良い研究環境を提供できると思います。

また、ハワイ観測所職員として、観測所の業務に関わる機会も提供します。観測天文学は 研究のみで成り立っているわけではなく、望遠鏡・装置を開発する人、運用する人、 ソフトウェア開発をする人など、必要不可欠な人たちがたくさんいます。それらの 人々と交わり、観測所業務の一環を担うことで、ワンランク上の観測天文学者を目指せます。 こちらからそのような業務を強制することはしませんが、こういう機会を得られるという ことがハワイ観測所の魅力ですので、是非活用していただきたいと思います (ハワイに 行く機会もあります)。

指導方針

研究指導方針を聞かれることがよくありますが、「柔軟に」というのが一番の方針です。 HSC・PFSの三鷹チームでの業務経験から、人それぞれ色々な 特技と仕事の仕方のくせがある、というのをよく理解しているので、 個人個人に合わせることにしています。 それから、銀河サイエンスはしばしば「雰囲気」で 研究できてしまったりするのですが、そうではなく中の物理をきちんと理解して 進む、という癖はつけていきたいと思っています。例えば、Halpha輝線強度から 星形成率が出せるのですが、そこでどういう物理仮定をしいているか、というのは わからない学生さんも多いのです。人が出した数式を何も考えずに使うのは 物理ではないですよね。

研究ポストというのは現在非常に見つけるのが難しく、研究者になりたいと 思っていても簡単ではないというのが現状です。 人生行き詰まらないように、 何が起きても役に立つ技術(英語やプレゼンテーション能力など)も学んで欲しいと 思っています。

学生・ポスドク一覧

Makoto Ando (Sokendai data scientist researcher)銀河の性質の環境依存性の起源
Itsna Fitriana (JSPS postdoc)GALAXY CRUISE
Umi Kobayashi (D3)銀河同士の衝突・合体がAGNに与える影響
Takumi Kakimoto (M2)遠方宇宙における大質量quiescent銀河
Seiya Imai (M1)遠方宇宙における強輝線銀河探査
学部学生3名遠方銀河団探査、JWSTデータを用いた遠方のquiescent銀河探査
OB/OGKei Ito (U-Tokyo), Yongming Liang (U-Tokyo), Kanako Sugimori
近くで一緒に仕事をしているポスドクの皆さん: Rhythm Shimakawa (Waseda), Ken Wong (U-Tokyo), Masashi Nashimoto (U-Tokyo), Kei Ito (U-Tokyo), Po-Feng Wu (Taiwan National University), Mariko Kubo (Tohoku), Wanqiu He (NAOJ), Mao Zhying (NAOJ), Satoshi Hamano (NAOJ)
ここには書きませんが、海外の共同研究者も多くいます。

こういう表を書くと誤解されやすいのですが、研究はもはや「研究室」という単位でする 時代ではありません。研究室を超えて、日本を超えて、多くの人と交わらないと研究は できなくなっています。学生さんの研究に対するサポートは時間をいといませんが、 それに甘んじることなく多くの人と自発的に議論をしながら、研究を進めることができる学生さんを育てたいです。