永井 洋
Hiroshi Nagai
国立天文台 アルマプロジェクト 准教授
Associate Professor, NAOJ ALMA Project
研究テーマ
専門は電波天文学。大質量ブラックホールから噴出する相対論的ジェットの発生機構やブラックホール降着流が興味の対象。ミリ波サブミリ波電波観測, 高分解能VLBI電波観測を用いた観測的研究に取り組む。
アルマプロジェクトに携わるとともに、Event Horizon Telescope(EHT)にも参加し、人類初のブラックホールの画像化に貢献。
職務
アルマ東アジア地域センター(EA-ARC)におけるユーザーサポートならびに科学運用に取り組む。
2023年3月よりCommissioning Scientistとして、ALMA2030 Wideband Sensitivity Update (WSU)を主たる職務とする。
総合研究大学院大学教員を併任。
過去の主要な職務
- EA-ARC Instrument Scientist (2018年10月-2023年3月): アルマの新規観測機能の実験・評価活動や将来の機能拡張に取り組む
- Interim EA-ARC manager (2017年10月-2018年9月): EA-ARC全体のとりまとめとALMA科学運用の遂行の責務を担う
- Data Reduction Manager (2014年9月-2017年9月): 東アジア地域のPIデータの解析と品質保証(QA2)の統括
参考:特集 - アルマ望遠鏡を支える人々③
- 偏波観測機能の科学・システム評価 (2011年5月- 現在も継続中):高感度・高精度ミリ波サブミリ波偏波観測の実現のための検証活動
参考:Bienvenido a ALMA! 20. ALMAによる偏光観測
教育
教育に関する活動歴
- 2022年8月 国立天文台・総研大サマーステューデントプログラム(東大から1名受入)
- 2019年8月 国立天文台・総研大サマーステューデントプログラム(慶応大、広島大、九州大から各1名受入)
- 2017年 - 現在 総合研究大学院大学 併任
- 2012~2017年度 山梨大学非常勤講師 教養科目「天文学への誘い」担当
- 2016年8月 国立天文台・総研大サマーステューデントプログラム(東北大3年生を受け入れ)
- 2015年9月 国立天文台滞在型研究員(東京大学大学院生1名を受け入れ)の教育
- 2014年11月 ソウル国立大学大学院生2名の教育(Prof. S. Trippe氏との共同研究)
- 2014年7月 第34天体物理若手の会夏の学校 コンパクトオブジェクト分科会 招待講師
- 2009年7月 第39回天体物理若手の会夏の学校 コンパクトオブジェクト分科会 招待講師
学生に向けたメッセージ:
上記研究テーマに興味を持つ大学院生への教育、ならびに共同研究を歓迎します。アルマの共同利用観測データ(Cycle 1, 2, 3, 5, 9で観測時間を獲得)、豊富なVLBIデータ(VERA, KVN, VLBA, EHT)を使って、活動銀河核ジェットとブラックホール降着流の研究ができます。総研大学生を正式に受け持つことが可能ですが(総研大についての詳しい情報はこちら)、他大学からの共同研究も受入可能です。詳しくは直接ご相談ください。
研究業績
業績リスト
受賞歴
- 吉田庄一郎・ニコン天文学業績賞
受賞者:EHT Collaboration (347 Members)
受賞理由:For the first image of a supermassive black hole, taken by means of an Earth-sized alliance of telescopes.
- Breakthrough Prize 2020, Fundamental Physics
受賞者:EHT Collaboration (347 Members)
受賞理由:For the first image of a supermassive black hole, taken by means of an Earth-sized alliance of telescopes.
その他、EHT Collaborationとしての受賞多数
- 2017年度国立天文台台長賞
受賞者:永井洋、中西康一郎、亀野誠二、Charles L. H. Hull
受賞理由:ALMA偏波観測の実現とミリ波サブミリ波偏波観測サイエンスの推進
略歴
2023年4月~ | 国立天文台 アルマプロジェクト 准教授(現職) |
2014年11月 | 国立天文台 アルマプロジェクト(旧チリ観測所) 特任准教授 |
2013年4月 | 国立天文台 チリ観測所 特任助教 |
2011年5月 | 国立天文台 ALMA推進室(2012年からチリ観測所に移行) 研究員 |
2010年4月 | JAXA 宇宙科学研究所 招聘職員 (イタリアINAF-IRAに客員研究員の期間を含む) |
2007年4月 | 国立天文台 スペースVLBI推進室(2008年からVSOP-2推進室) 研究員 |
2007年3月 | 総合研究大学院大学 物理科学研究科天文科学専攻 博士課程修了 博士(理学) |
一般の方へ
メディア・プレスリリース
- アルマ望遠鏡、惑星の種の成長に迫る
- アルマ望遠鏡、世界最高感度の偏波観測を達成
- 電波の影絵で希薄な星間分子ガスを"見る"
- 「視力50万の瞳」が捉えたソンブレロ銀河の中心に潜む超巨大ブラックホールの周辺構造
- 人類史上最高の視力でみる超巨大ブラックホールからの噴出流
- 超巨大ブラックホールは何処に? 噴出ガス源流の隠れ家を突き止める
社会における活動
- 2019年 ブラックホール/EHT関連の講演会多数
- 2018年3月19日 講演会 (株式会社アストロラーベ主催)
- 2017年12月7日 出張授業「ふれあい天文学」 私立立教女学院小学校(東京都杉並区)
- 2017年10月18日 出張授業「ふれあい天文学」 淡路市立多賀小学校、一宮小学校
- 2016年12月3日 朝日カルチャーセンター「爆発と激動の宇宙」
- 2016年11月15日 職場体験受入(滋賀県立守山高等学校)
- 2016年11月7日 出張授業「ふれあい天文学」 私立清泉小学校(神奈川県鎌倉市)
- 2016年10月26日-28日 出張授業「ふれあい天文学」 八丈島 大賀郷小学校・中学校、三原小学校・中学校、富士中学校
- 2016年9月17日 三鷹ネットワーク大学にてアストロノミーパブで講演
- 2016年7月29日 子育てと宇宙はつながっている?! (東京都千代田区富士見みらい館)
- 2016年1月7日 職場体験学習受入(世田谷学園中学校)
- 2015年12月14日 出張授業「ふれあい天文学」 千葉県長生郡長南町立長南小学校全校生徒
- 2015年4月18日 科学ライブトークショー「ユニバース」 ゲスト出演 科学技術館
- 2014年11月5日 職場体験学習受入(岡山県立倉敷天城中学校7名)
- 2014年8月14日 職場体験学習受入(神戸市立葺合高等学校1名)
- 2014年7月3日、4日 出張授業「ふれあい天文学」 香川県善通寺市立中央小学校、観音寺市立一ノ谷小学校
- 2014年5月22日 職場体験学習受入(多治見市立北稜中学校2名)
- 2014年 2月1日 朝日カルチャーセンター「最新天文学が解き明かす銀河の姿」
- 2014年1月21日 出張授業「ふれあい天文学」 横浜市立港南台第2小学校4年、6年生
- 2013年6月 大学受験情報誌「SELF BRAND」 (株式会社フロムページ)への寄稿 (p.62-63)
- 2013年2月22日 出張授業「ふれあい天文学」 鹿児島市立西陵小学校6年生
- 2011年11月 最新天文学の普及をめざすワークショップ講演 主に科学館・プラネタリウム関係者向け
- 2009年5月 公開講演会「宇宙のモンスター”ブラックホール”と、それに挑む望遠鏡」 つくばエキスポセンター
- プラネタリウム番組「ブラックホールツアーへようこそ」番組監修 (つくばエキスポセンター、府中市郷土の森博物館、山梨県立科学館にて上映)
講演会の依頼、大歓迎です。メールでお問い合わせください( hiroshi.nagai ##at## nao.ac.jp, ##at##を@にかえてお送りください)。
キーワード:ブラックホール、ジェット、電波天文、アルマ、電波干渉計、VLBI。
もともと天文少年だったので、小口径望遠鏡の使い方、星空観察の指導もできます。